幻の純系メロン「渥美アールス」と「カクメロ」を未来につなぐ 2025夏
稲沢緑風館高校園芸科では、3年課題研究の授業を中心に愛知の伝統技術を未来に繋ぐプロジェクト学習を実施しました。愛知県農林水産局であいちの伝統野菜に認定されているアールスメロン「渥美アールス」の栽培、採種に成功しました。
渥美アールスは、昭和50年から平成初期に渥美地方(現在の田原市)で盛んに栽培されていたアールスメロンの純系品種です。意欲的な農家で自家採種を繰り返し、当時「新高松」と呼ばれていました。青皮系でネットが密に発生する品種で、深く甘い香りと黄色の果肉、きめ細かな食感が特徴でした。その後、F1品種が普及し栽培の難しい純系品種は姿を消し、今では種を入手することも困難で「絶滅危惧品種」です。
学校では、十数年前に採種した種を使い渥美アールスの温室メロン栽培を実施しました。実験用にデータを記録しながら10株を栽培、3月に播種し7月に収穫しました。そのうち2個の果実を四角いメロン「カクメロ」として栽培しました。
「カクメロ」とは平成14年に愛知県の農業高校生発案で開発された果実の形を立方体にした温室メロンのことです。商標・特許を取得し高級果物店で販売、海外にも輸出され、一世風靡した高級ブランドメロンです。栽培には特殊な整形容器を用い、高度な技術と経験が必要で難しく、今では栽培されていません。学校に四角いメロンのフレーム(型枠)があり栽培に挑戦しました。
7月に収穫した果実は9個です。1個は、果実が裂果しました。自根栽培にもかかわらず純系アールスメロンの9割の果実が収穫できました。そのうち半分以上の果実は、袋がけして人工授粉をした自家採種用です。果実の大きさは900~1300gでやや小玉でした。糖度は13~14度で香りよく味が濃厚でおいしかったです。カクメロの2つは、果実の肥大が足りず丸みのあるものになりました。 新たに採種した渥美アールスメロンの種とカクメロの栽培技術を未来につなげていきたいと思います。温故知新、貴重な体験学習ができました。









